2019年5月1日、新天皇が即位され元号が「平成」から「令和」へと変わりました。10連休という超大型連休となり、この機会に遠くへ旅行に行った人も多いと思います。その一方で、元号の切り替え対応のための準備に追われ、4月30日から5月1日にかけてはトラブル発生に備えて待機していたシステムエンジニアがいることをご存知でしょうか?
業務システムなどにおいて、日付を和暦(元号)で入力するようにできている場合、その修正が必要となります。特に官公庁や金融機関などで使用されているシステムでは早急に対応しなければなりません。住民票などが発行できない、ATMからの引き出しができないなどのトラブルが起きないよう、システムエンジニアはシステムの調査とアップデート、テストを行っていたはずです。

同じような問題が19年前にもありました。いわゆる「2000年問題」で、当時富士通のシステムエンジニアだった私も対応に追われ、1999年の大晦日の夜から2000年の元日の朝にかけては職場に詰めていました。幸い、私の部署ではトラブルは発生せず、年越しのカップそばを食べて帰宅したことを覚えています。
このようなことをソフトウェア工学の講義で話したところ、「技術で社会を支える仕事はやり甲斐がありそう」と感心している学生がいる半面、「せっかくの長期の休みが無くなるのは嫌だなぁ」という顔をした学生も何人かいました。その気持ちは私もよくわかりますが、これは情報システムというものが、電気や水道などと並んで私たちの生活に欠かせない「インフラ(社会基盤)」となったことを意味しています。本科を卒業してシステムエンジニアとして活躍している卒業生の皆さん、そして彼らの後に続こうと日々勉強と就職活動に励んでいる学生の皆さんには、自分の仕事が社会を支えているのだという気概を胸に頑張ってほしいと思います。
(文責:情報システム技術科 菅原 智裕)