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平成30年度 卒業研究スタート!(情報システム技術科)

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平成30年4月18日(水曜日)、各テーマへの配属が決定し、情報システム技術科の卒業研究がスタートしました。卒業研究の目的は、授業で学んだ様々な技術を単なる知識の習得で終わらせることなく、それぞれの技術をどのように有機的に結びつけ活用するのかを自発的に学ぶことにあります。本校では、2年次の前期に2コマ(4単位)、後期に6コマ(12単位)を卒業研究に当てており、本学科でも高度情報化社会を支える最新技術に今年も果敢に取り組んでいきます。

卒業研究テーマの分類

●  熊本観光紹介システム(英語版)~2020外国人を熊本へ呼び込もう~
オリンピック2020で東京近郊に押し寄せる外国人旅行者を熊本に呼び寄せる熊本観光紹介システム(英語版)を作成します。熊本の観光情報だけで無く、旅館、体験教室、熊本特産品販売のホームページも開設・運用できるWebシステムを外国人旅行者向けに英語で作ります。言語はPHP、データベースはMySQLを用いる予定です。

●  小学校プログラミング教育の教材研究
昨今、文部科学省より「2020年度から小学校でのプログラミング授業を必修化する」という方針が打ち出され、昨年3月にはその概略を盛り込んだ新学習指導要領が決まりましたが、算数や理科をはじめとした既存科目の授業の中に組み込まれていく予定であり、プログラミングのスキルを身につけるのが目的ではなく、プログラミング教育を通じた論理的な思考力の習得が想定されています。このようなプログラミング教育への時代のニーズの変化や高まりの中、学習塾や通信教育など民間においても様々な教材が提供され始めていますが、小学校における教材研究は現場の先生方が模索している状況にあります。このような現状をふまえ、2020年度からのプログラミング教育の必修化に向けた教育教材の開発と提供を目的とし、研究を行います。

●  癒し系コミュニケーションロボットの開発
IoTが進む中、個人を認識し人と会話したりするロボットが多く開発されています。しかし、現在、購入可能なそのようなロボットはまだ高価です。本研究では、看護・介護に応用でき、かつ安価な癒し系コミュニケーションロボットの試作を目指します。昨年度は音声認識と発話(人工音声)を辞書方式で実装しました。今年度は機械学習やAIの採用について検討し、実装を試みます。また、発話だけでなくロボットの動き(しぐさ・リアクション)よる視覚的なコミュニケーションによる癒し効果についても検討します。さらにその効果について脳波測定などを用いた定量的な検証を試みます。なお、本研究では、ロボット筐体にはべゼリー開発キット、制御にはRaspberry Piを使用します。

●  複合現実技術の活用に関する研究
近年、SonyのPlayStation VRの仮想現実(VR)技術の一般への普及が始まり、スマートフォンのゲームであるポケモンGOでは拡張現実(AR)技術が活用されています。VRとARを包括する複合現実(Mixed Reality, MR)という概念が考えられており、昨年はマイクロソフト社主導のもとMR用のデバイスが比較的安価に販売されたことから、今後の発展が期待されています。これまでの卒業研究でVRを活用する研究を行っており、観光地を疑似体験するソフトウェアの開発、地震を疑似体験するソフトウェアの開発を行いました。本年度はその枠を広げMRの観点から技術活用の研究を行います。研究の成果はオープンキャンパス等のイベントで活用することを想定しているので、一般にアピールすることができるソフトウェア開発を期待しています。本研究では、新しいプログラミング技術、仮想現実、拡張現実、マルチメディア技術の知識が必要とされます。

●  FaaS環境におけるソフトウェア開発
情報サービス産業では、従来の自社運用(オンプレミス)形態から、クラウドを用いる形態へとソフトウェアサービスの形態が変化しています。クラウドから提供されるものの段階によりIaaS, PaaS, SaaSなどの区分けがされており、利用者は何が必要かに応じこれらを選択します。近年サーバレス、FaaSといわれる形態も利用されるようになり始めています。これは、ユーザの望む機能を利用する瞬間だけ一時的に稼働するサーバがクラウド上に現れ、利用終了と同時にそのサーバが消滅するといったものです。この卒業研究は新規テーマとしFaaS環境でのソフトウェア開発を取り扱います。本年度はFaaS環境におけるソフトウェア開発の考え方を学び、現在の活用例、開発環境の準備、開発を行い、これらの調査全体を資料としてまとめ、次年度以降の基礎資料とすることを目的とします。

●  Raspberry Piを用いたIoT見守りシステムの研究
介護の現場では、IoTの活用により介護者の負担を減らし、要介護者のQuality of Lifeを向上させることに期待が集まっています。そこで、Raspberry Piを用いて要介護者の見守りシステムについて研究を行ないます。昨年度からの継続研究です。要介護者の離床を検出するための新たなセンサー・手法について検討を行なうほか、実際に試作品を製作し、機能の検証も行ないます。したがって、プログラミングだけでなく、電気回路等の知識も必要です。なお、研究の一環として、WRO熊本大会エキシビション部門にも出場するほか、ロボットプログラミング教室ボランティアにも積極的に参加します。

●  機械学習を用いた二人零和有限確定完全情報ゲーム攻略プログラムの作成 ~立体四目並べを題材として~
現在、人工知能(AI)は急速に発展してきており、幅広い分野で活用されています。また、人工知能の研究は、データ量の増大、アルゴリズムの高度化、コンピュータの性能やストレージ技術の発展などにより、近年急速な進化を遂げています。このテーマは、昨年度から始め、ある程度ゲームが出来るまでは完成しています。しかし、人間に勝てるほどにはチューニングされていません。機械学習の理解を深め、人間にある程度勝てる程度のチューニングを行います。
キーワード:Python、人工知能(AI)、ゲームプログラミング、機械学習

●  強化学習を用いた不完全情報ゲーム攻略プログラムの作成 ~Numer0nを題材として~
今年からの新しいテーマです。上記と同様に人工知能系のテーマです。不完全情報ゲームは、不確定要素を含むため戦略が難しいゲームです。そこで強化学習を導入することで、相手の手を読んで人間に勝レベルのプログラムを作成します。開発は、オブジェクト指向言語Python、Pythonの機械学習ライブラリであるsklearnを用いて行います。テレビでも取り上げられたNumer0nというカードゲームを題材として、ゲームアプリケーションを作成します。
キーワード:Python、人工知能(AI)、ゲームプログラミング、強化学習

●  スマートコントラクトのセキュリティ技術
スマートコントラクトの仮想通貨やブロックチェーンは、今後、有望な技術です。暗号、セキュリティ、スマートコントラクトの仕組みを理解しながら、ソフトウェアの安全性をテスト、評価する手法を習得します。「スマート・コントラクトとはデジタル形式で記述された約束の集合で、決められたプロトコルに従って当事者間で約束を実行する」ことです。コントラクト(契約)は、どんな商品をいくつ、いくらで買うか、商品をいつまでに届けて、いつまでに代金を支払うか等の約束です。それには、仮想通貨などのように、第三者を介さずに信用が保証された取引を処理できるという利点があり、インターネット上の様々な商取引を変える可能性があります。取引プログラムは、分散アプリケーションプラットフォーム「Ethereum(イーサリアム)」で、コントラクト指向言語Solidityを用いて、記述されます。そのプログラムには、セキュリティ上の不具合が発生することがあるので、形式検証という手法を用いて、ソフトウェアの安全性、脆弱性をテストします。

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