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コラム:「技」は「芸術」に通じる

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本校には無いですが、私が学生の時には「第2外国語」という科目がありました。そして機械系の学生は「ドイツ語を履修することが望ましい」と学校側からお達しがありました。なぜドイツ語なのでしょうか?歴史的にドイツから技術を学んだという経緯があるからでしょうが、私なりの個人的な感想を書き留めてみようかと思います。

「匠の技」という言葉が日本語にはあります。本校の指導員の先生方も、それこそ「匠の技」を持った超ベテランです。匠の技をもって製作された工業製品は、芸術的な美しさを持っていることもよく知られています。企業の技術力をアピールするために匠の技で製作されたデモンストレーション製品、たとえば五重塔とか、は見るものを魅了します。翻ってドイツ語ですが、「技術」を意味する単語は「Technik」で英語と似たようなものですが、もう一つ「技巧」を表す「Kunst」という単語が存在します。そしてこの単語のもう一つの意味が「芸術」なのです!

ドイツでは古くから職人の親方のことを「Meister」と呼びます。日本語でもおなじみの「マイスター」のことですね。私はクラシック音楽が好きなので、この言葉を聞くたびにワーグナーのオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を思い出します。「マイスタージンガー」とは直訳すれば「親方歌手」となり、その通りオペラの中では靴屋の親方がヨハネ祭の歌合戦に毛皮屋や板金屋などの親方とともに参加して・・・という筋書きで、ワーグナーの傑作オペラの一つとなっています。音楽芸術ももちろん「Kunst」でありますから、ドイツでは「技巧(匠の技)」と「芸術」を同じ単語で呼んでいるのですね。

本校の学生諸君も卒業して研鑽を積み、卓越したベテランになって欲しいと思います。そのときこそ彼らは「匠=マイスター」の称号を得て、技術立国日本の重要な担い手となるのですから。

(文責 精密機械技術科講師 田中誠一郎)

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