ワイヤ放電加工と精密部品製作
ワイヤ放電加工について
ワイヤ放電加工機は、電気で金属を切断します。電熱線で発泡スチロールを切るのに少し似ています。
直径0.2mm程のワイヤと工作物間で放電を起こし、その熱によって工作物を溶かして切断します。どんなに硬い金属でも電気を通すものならば切断することができます。
本校のワイヤ放電加工機では、1マイクロメートル(0.001mm)の精度での微細な加工が可能です。
製作課題の例
次にワイヤ放電加工機を使った学生の製作課題の一例を紹介します。
製作したのは、空気圧で部品が飛び出る簡単な装置です。ロッドを押すと空気圧によりパンチがダイから飛び出ます。手をロッドから離すと、バネの力でロッドが戻り、パンチはダイに引っ込みます。
下の図が装置の設計図ですが、全ての加工部品は鋼材を使用しました。パンチとダイはワイヤ放電加工機で、その他の部品はボール盤等で加工します。
パンチとダイの組み合わせの隙間は、大きすぎると空気漏れとなり、小さすぎると摩擦で円滑な動作ができません。この製作課題では、隙間の大きさを0.01mm以内になるようにしました。組立てた装置は、パンチとダイの隙間が小さいため、境目がほとんどわかりません。
2年生の卒業研究では、これをもっと大きな装置にして、文字や絵が飛び出るものにする予定です。